身の回りに潜む火災の危険
SECTION1
家庭に潜む自然発火
物質の発火点は高温です。 そのせいもあり、日常生活には無縁のものと思われがちですが、実は自然発火の危険は身近に潜んでいます。 東京消防庁の発表によると、平成20年から平成24年の5年間で、アロマオイルなどの油が付着したタオルなどが自然発火した火災が26件発生しています。
自然発火と空気の乾燥は大きく関係しています。空気が乾燥すると空気中の水分量と同様、建物や家具などに蓄えられる水分量も少なくなります。水分を多く含むものよりも乾燥しているものの方が燃えやすいため、乾燥する季節は自然発火を引き起こしやすくなるのです。
自然発火の恐れ
・天ぷら油から自然発火
いくつかの植物油は乾燥する過程で空気中の酸素と結合し酸化反応を起こし、酸化熱が発生します。それが蓄積されていくと高温状態となり自然発火するのです。例えばクッキングペーパーや布巾に天ぷら油を染み込ませてごみ袋を密閉したり、大量の揚げ物を重ねたまま放置していると、酸化熱が発生し自然発火する恐れがあります。
・コンセントの自然発火
コンセントを差し込んだまま長時間放置していると、結露の水滴がたまり、その水分が導電材となってショートしてできた熱が発火することがあります。プラグにホコリが溜まるとホコリが空気中の水蒸気を蓄え、さらに自然発火の危険度は上がります。
・アロマオイルの自然発火
アロマオイルが付着した衣類やタオル等を洗濯し乾燥機にかけると、乾燥機の熱風でアロマオイルが酸化し自然発火する危険性があります。また乾燥後の衣類を一箇所に固めていることも熱がこもり発熱を促進させる原因になります。
・ライターの自然発火
使い捨てライターは、周囲の温度の上昇により破裂して自然発火することがあります。40~50℃位から危ないと言われており、直射日光が当たる窓際や車内などは注意が必要です。ライターが破裂し液化ガスが噴出した際に、発火石と発火ヤスリが接触して火花が飛び、自然発火に発展してしまうことがあります。
自然発火を防ごう
SECTION2
油は冷ましてから捨てよう
キッチンペーパーや新聞紙等に油をしみ込ませて牛乳パックやポリ袋に入れて捨てる方法があります。ただ温度が高いままの油をそのまましみ込ませて捨てると自然発火のリスクが高くなるため、十分に冷ましてから必ず水をしみ込ませるようにしましょう。
オイルが付着した布は乾燥機にいれない
アロマオイルなどの美容系オイルが衣類やタイルに付着した場合、そのまま乾燥機にかけてしまうと自然発火のリスクを伴うため、乾燥機ではなく自然乾燥を行いましょう。そもそもオイル自体は一度の洗濯で汚れが落ちづらいため、お湯で手洗いをすることが最善です。
引火するものをそのまま放置しない
使い捨てライターやマッチ、キャンドルなど引火しやすいものは放置しないようにしましょう。また置く場所も、窓際やベランダ、コンロの近くや車の中などは熱を帯びやすい場所は避けるようにした方が安心です。自分が思っている以上に直射日光があたる場所や車内の温度などは上がりやすくなっています。